
専務取締役白井俊之
- -- ニトリが中間採用を積極的に行っているのはなぜですか?
- 会社組織はただ単に大きくなればいいというものではありません。大切なことは、膨張することではなく、成長することです。成長するためには仕組みを変えていく必要があります。そして、その仕組みをしっかりと作り上げるためには人材が必要です。会社が目指している急成長を実現するには、外部でいろいろな経験をして、さまざまな知識を持った人の力が欠かせないと思います。またこれは副産物的なことですが、社会経験の浅い定期採用者が、さまざまな経歴を持った中間採用の人たちと一緒に仕事をすることで、いろいろな勉強ができるという教育的な面も大切だと考えています。ニトリは、中間採用者の離職率が他の会社と比べると低いといわれています。それには、二つの理由があります。一つは、採用者が充分すぎるくらいに会社のことを理解して、納得のうえで入社していること。もう一つは、定期採用者と中間採用者を区別しないフェアな会社であることです。ニトリは、これからますます成長していきます。実際に、僕が入ってからすでに100倍以上成長しています。これから入社する人たちが活躍するころには、いまの50倍、100倍に成長している可能性があります。そう考えると、将来的にどこの部署でも人材が足りなくなってきます。さらなる成長のためにも、いろいろな経験と知識を持った外部の力が必要です。

- -- どんな人材を求めていますか?
- 他の会社の中間採用者は、現場を経験することなく最初からその人の専門部署で働く人が多いようです。しかし、ニトリの場合はどんな人であっても、現場を体験してもらいます。自分たちの本当のお客様のことが分かるのは、現場だけです。そういう価値観や、会社の風土を共有できる人に来てほしいと考えています。現場を経験しているからこそ、仕事のアイデアが出てきます。また、現場に強い人は数表を見た時に、店舗がどのような状況になっているかを即座に分析できます。そういう現場を分かっている人たちが本部に集まっていなければ、会社は成長しません。店舗で働くと嫌なこともたくさんあります。僕がよく話すのは、「荷物が二つあったら重い方を持ってください」ということです。つまり、そういう気持ちで仕事をして欲しいということです。楽な仕事を選ぶ人は、絶対に成功しません。仕事のキャリアとは、いままで経験してきた職種や成果ではなく、その人の考え方や仕事を実現してきたプロセスだと思います。自分の力で何か一つの仕事を成し遂げた人、あるいは新しい仕組みを作った経験のある人ならば、違う会社や職場でも同じように活躍できます。これは「再現性」ということです。「再現性」のある力を持った人は、どこの会社に行っても対応できます。たとえばニトリでは、スポーツに例えれば、サッカーをやっていた人にバレーボールをやってもらうこともあります。でも、そこで新しい可能性を見つけて活躍している人も少なくありません。そういう「再現性」のある力を持った人がこの会社に必要だと思います。
- -- オーナー会社としての不安を払拭するにはどうすればいいですか?
- その点が不安な方は、まず中に入ってもらうしか方法はないと思います。ただ、それでも心配な方に対しては、実際に働いている社内の人と話す機会を作るなど、いろいろな対策を講じています。入社する前に大切なことは、会社が一切隠しごとをしないことです。お互いの考え方が食い違わないように、会社のことは全てオープンにし、不安な点は全て説明することが大切です。納得して入社した人は、仕事で辛いことがあってもきっと我慢ができるはずです。また、ニトリには前向きなチャレンジでの失敗を許す風土があります。社員が失敗を恐れ始めると、会社は官僚的になり、組織は硬直化します。一回失敗しても、また違う場を与えられ何度も再チャレンジできるシステムは、会社の成長に欠かすことができません。これは他の会社にはない、ニトリの一番いい点だと思います。
- -- 自分のスキルを生かす場があるでしょうか?
- 国内、海外市場ともに、まだまだ成長の可能性があります。他の企業は不景気で停滞していますが、ニトリは注目され始めたおかげで、相対的に応募の人数は増えています。いろいろな意味で、いい経験をした人たちがたくさん応募されているようです。将来的なことを考えると、ニトリはあらゆる面で、さまざまな人たちの活躍の場がある会社です。本気でやれば、ほとんどの職種は二、三年で専門家になれます。いままで経験したことのない職種でも、ニトリに入ってから成功している人もいます。また、他の会社で力を発揮できなかった人でも、ニトリで活躍している人がたくさんいます。世の中には仕事が数えきれないほどあります。確率的に言えば、今まで自分が経験してこなかった仕事のなかに、自分に向いている仕事がある可能性が高いのではないでしょうか。そういう点で、ニトリは、いろいろな可能性に満ちた会社だといえると思います。




