ニトリグループ独自のビジネスモデル
“製造物流IT小売業”と、グローバル展開についてご紹介します。
強固な人材基盤やグローバルなパートナー企業ネットワークを活かして、
“製造物流IT小売業”として全ての機能をニトリグループ内で構築してきました。
これからも「お、ねだん以上。」の価値を創造していくために、
お客様を起点としたビジネスモデルの進化に挑戦していきます。
商品企画から製造・物流・販売までを
一貫して、自社でプロデュース。
「お、ねだん以上。」な商品づくりの仕組みです。
世の中の「不平・不満・不便」を見つけ、お客様の多様なニーズに応える商品を提供するために、常に「使う・買う」立場で商品の企画・開発を行っています。海外の展示会の視察や競合他社調査、さらには実際に商品を使用してもらい、モニターの声を集めていくアンケート調査など、徹底的なリサーチを実施。その情報をベースに新規商品や機能性商品の開発に取り組んでいます。また、住まいの豊かさをお届けしていくために、色・柄はもちろん、素材や風合いなども統一した商品をゼロから開発し、コーディネートする楽しさと快適さを提案しています。
ニトリの商品は、お客様の「不平・不満・不便」の声をもとに企画がスタートします。例えば、工具不要・簡単組み立てが特徴のカラーボックス「Nクリックシリーズ」は、お客様の"組み立てが面倒"、"組み立てできない"という声から生まれた商品です。長年愛用されている商品であっても「もっと改善できないか」と常に考えながら、お客様に支持される商品を提供するために挑戦し続けています。
現在、ニトリが力を入れているのは「家電商品のラインアップの拡充」です。一気通貫のビジネスモデルで培ってきた知識や技術を掛けあわせることによって、安価で機能性の高い家電製品を開発しています。誰もが使いやすい機能と、どんなライフスタイルとも調和するシンプルなデザインを大切にしながら、家電を含めたトータルコーディネートを提案しています。
暮らしの困りごとに関するお客様の声を聞き、商品や売場を通してその不便を解決するための提案を行っています。収納のお悩み解決や梅雨の時期の生活提案など、お客様に暮らしを便利に整えていただけるように、商品開発や売場作りに取り組みます。また、コーディネートされた暮らしによって、暮らしが「整う」から、さらに「豊か」になることを実感していただくため、簡単にコーディネートできる商品を拡充し、さまざまな暮らし方をテーマにした売場での暮らし方提案にも注力しています。
お客様の暮らしの悩みを解決していくために、他社と協力しながら機能性の高い商品の開発に取り組んでいます。例えば、帝人フロンティア株式会社とともに、生地に特殊な加工を付与することでお部屋の不快なにおいを吸着・消臭する「消臭カーテン」を共同開発しました。一般的な消臭カーテンは、暗い部屋だと効果を発揮しにくいと言われていますが、ニトリの消臭カーテンはミクロの穴が臭気を吸着するメカニズムによって、昼夜を問わずに高い機能性を実現しています。
適正な品質の商品を低価格で、お客様をお待たせすることなく提供するために、原材料の調達も自前で行っています。世界各地でソーシング活動を実施しており、お客様のニーズに応えるために必要な品質・機能・コスト条件などを満たせるかを徹底的にリサーチして調達先を選定します。また、実際に現地に足を運んであらゆる産地情報を集め、原材料の供給元との交渉・契約も自社で行っています。
一昔前まで羽毛布団は高級品とされていましたが、ニトリグループが実現した価格破壊によって、今では多くの人が気軽に手にすることができるように。原材料調達を自前で行うニトリグループでは、マーチャンダイザーが品質・価格の変動を自らの目で見極め、維持することで、羽毛布団の安定供給を実現させています。同時に、年間販売計画の精度を上げながら、納期の短縮や機能性の向上も実現できるのです。このように、全ての工程を自社で一貫してコントロールし、改善・改革を進めることによって、「お、ねだん以上。」の商品を提供することを可能にしています。
多くのお客様にご好評いただいている「Nクール」は、毎年改良を重ねてグレードアップしている商品の一つです。主原料を糸に加工する段階から開発を行うことで、Nクールの特徴である「接触冷感」を実現する糸ができあがります。当然、紡績の工程のみならず、生地へと加工して製品化するまでの工程も自社でコントロールし、商品の機能性を高めています。今後も素材の開発や改良を続けて、お客様に価値を感じていただける商品を世の中に送り出していきます。
現在、ニトリの商品の90%は海外で製造されています(2022年7月時点)。製造する工場は、お客様が求める品質・価格から逆算し、納期やコストなどの条件を満たすサプライヤーを徹底的に調査して決定。さらに、全ての製造プロセスを指導・管理することで、強固な生産体制を築いています。また、お客様が買うこと・使うことの先まで考えた商品の製造を始めており、再資源化できる商品の拡充を進めています。
近年、再生可能な資源を使用した商品づくりの需要が高まっており、ニトリグループも商品の再資源化に力を入れています。その一環として、2021年から使用しなくなった羽毛布団を店舗で回収して再製品化する取り組みを行っています。また、2021年のグッドデザイン賞ベスト100に選ばれた「かんたん分別ポケットコイルマットレス」は、誰もが簡単に分解・分別できる商品であり、資源の有効利用促進につながると考えています。ニトリグループでは、販売して終わりではなく、使い終わった商品を再資源化するところまでを考えながら、サステナブルな商品供給体制の確立を目指しています。
商品の生産に至る前には、ニトリグループの社員が工場とともに、理想の仕様になるまで試作品の確認を実施します。その後、品質にブレが出ないように、量産に向けた検査も徹底的に行っています。さらに、品質管理や生産性の一層の向上を目指して、調達工場の工程管理や品質検査、廃棄率管理も現地でサポートしています。また、高品質な商品を安定的に供給するために、バーティカルマーチャンダイジングを推進し、自社生産化を進めています。
ニトリグループは「製造者責任」と「販売者責任」を分断せず、製品の安全を常に第一に考えています。現地調査のうえで選び抜かれたサプライヤーとの一体協業によって、安定した品質の商品を供給できる体制を構築。さらに、開発・物流・アフターサービスにおいても厳しい基準で品質のチェックが行われています。これらの徹底的な品質管理体制が、お客様が安心して使用できる商品の供給につながっています。
ニトリの商品には、独自の厳しい品質基準が設けられています。その一つが、普段の生活では発生し得ない強いショックや過度の負荷を加える「意地悪テスト」と呼ばれる品質検査です。お客様に安心して使用していただくため、あらゆる角度から商品の安全性や品質を徹底的に評価し、厳しい基準に合格した商品だけが売場に並びます。また、これらの基準を満たす商品の製造を実現できる工場についても、自ら選定して管理しています。
海外出店の加速にともない、グローバルな品質保証体制の構築に注力しています。海外サプライヤーと信頼関係を築き、ともに製品安全文化を構築していくために、海外の工場に対して、継続して製品安全に関わる指導・教育を実施。また、環境課題・社会課題に対処することの重要性についても共有し、法令の遵守のみならず、ニトリグループが実現したいロマンに共感してもらうことで、ともに持続可能な成長を目指しています。
ニトリグループの輸入コンテナ本数は年間17万TEU以上(20フィートコンテナ換算)に上り、流通業の輸入貨物における取扱量は日本最大級です。貿易事務、コンテナ手配、輸入通関といった専門性が高い業務をはじめ、貿易にまつわる幅広い業務を自社で実施。その結果、輸送の効率化を実現し、お求めやすい価格へと反映させています。また、よりスムーズに、短いリードタイムで国内の物流センターへ商品を供給する体制を整えることで、サプライチェーンの礎を築いています。
ニトリグループの海上輸送は全て入札制度を取り、船会社との契約も代理店を通さずに自社で行います。現在は3カ月に1回の頻度で、世界の港と日本の港をつなぐ全ルートおよび船会社の見直しを実施。そうすることで、社会の動きにともなう価格変動が予測しづらいなかでも、あらゆる変化に柔軟かつ迅速に対応し、損失の抑制が可能となっています。
経済連携協定などの情報を積極的に収集・活用していくことで、関税の削減に取り組んでいます。貿易改革室と、製造部門に関わる海外グループ会社(NTI やNTL)が連携して最新の情報を収集。さらに商品一つひとつの原産地や製造工程を確認しながら、対象となる商品を徹底的に調査しています。製造から物流まで全てを自社で行うビジネスモデルの強みを活かすことで、徹底したコスト削減につなげています。
「製造物流IT小売業」のニトリグループにとって物流は大きな役割を担っています。物流機能はグループ会社の一つであるホームロジスティクスが一手に引き受け、幅広い事業を展開するからこそのスケールメリットを活かした一貫物流を実現させています。自社倉庫から店舗やお客様のご自宅にお届けするまでの全てを行い、その配送網の人口カバー率は99%まで到達しました。また、お客様へお求めやすい価格で商品を提供するために、最新鋭のテクノロジーも積極的に導入しながら物流の効率化を図っています。
2021年、ホームロジスティクスは国内の物流網を再構築し、グループ初となる一般貨物自動車運送事業会社「ホームカーゴ」を設立しました。同社は単なる物流会社ではありません。人手不足という物流業界が抱える課題に対して働き手の多様化を図る取り組みを積極的に行うなど、長期的な視点でニトリグループのビジネスモデルを支える役割を担っています。
ホームロジスティクスはこれまで国内流通業初の「自動倉庫」をはじめ、「自動倉庫型ピッキングシステム」「自動梱包機」「AGV(無人搬送車)」などの最新技術や設備をいち早く導入してきました。今後も物流業務のDX化として、物流ネットワーク全体の効率改善やコスト削減の実現はもちろん、人にやさしく働きやすい労働環境づくりにも注力していきます。
コロナ禍で人々の生活スタイルが変化し、購買行動も多様化した今、通販サイトである「ニトリネット」を通したお客様への価値提供もさらに充実させていくことが求められています。お客様が欲しい情報まですぐ辿り着けるように導線やニーズを徹底的に分析しながら、場所や時間を問わず便利で楽しく買い物ができる環境を提供していくための取り組みを進めています。
ニトリネットでは「スタッフコーディネート」を通して、お客様へコーディネートや実際の使用シーンを提案しています。このシステム導入はインテリア業界初の取り組みです。また、投稿した従業員が、自分が紹介した商品がどれくらい購入につながったのかを把握できる点も大きな特徴です。今後はニトリスタッフだけでなく、お客様も投稿できる機能の実装を想定しており、誰もが気軽にコーディネートを楽しめる環境づくりを目指しています。
家でも店舗で接客を受けているようにコミュニケーションしながら買い物ができる「ニトリLIVE」を配信しています。視聴者はリアルタイムで質問やコメントを投稿し、商品の魅力や活用方法を具体的に知ることができます。また、ライブ視聴時だけでなくアーカイブ動画からでもワンクリックで気になる商品の購入が可能です。ライブコマースを強化していくことで、より多くのお客様へ新たな購買体験を提供できるようになりました。
お客様に、便利で楽しい買い物を提供していけるように、魅力的な売場づくりや接客サービスの向上に取り組んでいます。現在の店舗数は国内773店、海外129店(2023年3月31日時点)と年々拡大中。店舗はお客様と一番近くでつながれる場所です。だからこそ、お客様の声や反応を観察しながらニトリグループ全体に大きく影響を与える改善・改革を行っていく役割も担っています。時代や世の中の変化にいち早く適応し、より便利で快適な買い物を実現するために、ニトリの店舗は日々進化を続けています。
お客様に便利なサービスを提供し、従業員の業務を楽にしていくため、店舗でもDX化に取り組んでいます。セルフレジの導入をはじめ、お客様自身で商品の在庫確認や注文ができるアプリの活用など、時代の変化にあわせて便利な買い物サービスを提案しています。また、業務用のスマホ・タブレットを導入したことで、納期・在庫の確認や注文伝票の作成、業務連絡などを全て手元でできるようになりました。
ニトリグループが目指す豊かな暮らしとは、「住」に限った話ではありません。より多くのお客様に暮らしの豊かさをお届けしていくため、これまで培ってきたニトリグループの強みを活かしながら新事業にも挑戦しています。アパレルブランドの「N+(エヌプラス)」、外食事業の「ニトリダイニング みんなのグリル」、ニトリ・島忠の融合型店舗「ニトリホームズ」など、「衣・食・住」の全てに事業を拡大しながら、豊かさを実感していただくための取り組みを行っています。
日々成長し続けるニトリグループでは、システム開発にもスピードが求められます。その進化を支えるのが、流通業として類を見ない完全内製化を担うIT人材たちです。ニトリ独自のビジネスモデルに対応するために、20年前以上からITシステムの内製化を進め、「技術の蓄積」「人の育成」に力を入れてきました。現在も、幅広い事業領域の全てをカバーし、ビジネスの改善・改革を推進しています。また、購買体験の変化など、お客様へ直接価値を届けられるIT技術の開発にも積極的に取り組んでいます。
ニトリグループのビジョン達成には、IT・デジタルの力が必要不可欠です。会社の飛躍的成長に向けてIT人材の拡充と育成が急務となるなか、2022年4月にITに特化した新会社「ニトリデジタルベース」を設立しました。システム分野に携わる社員が新たなオフィスに移動し、柔軟な働き方と自由な発想を促す開放的な空間で会社を支えるシステムを生み出しています。
お客様が好きな時に好きな方法で、店舗とネットをシームレスに行き来して買い物を楽しめる「ニトリアプリ」の開発を推進しています。ニトリアプリは、ポイントを貯めたり、オンライン上の買い物をサポートしたりできる機能を搭載。さらに、実際の店舗や売場で商品を探したり、特徴を調べたりといった、快適な買い物のサポートをする機能も備えています。常にお客様目線に立ち、便利で新しい購買体験の提供に挑戦しています。
ニトリグループは、人々の暮らしの中にある「不平・不満・不便」を
解消する商品やサービスの提供を通じて、
世界の人々の暮らしを豊かなものにしていくことを目指しています。
そのためには、日本で培ってきたノウハウ・強みを、世界各国、どの地域でも
活用できるようにするための仕組みづくりが大切です。
人材育成や店舗運営、物流などあらゆる面で仕組みをつくり、
各国・各地域に根付かせながら、海外展開を加速していきます。
韓国国民の生活を支える大手通販サイト「coupang」と提携し、2021年10月からクッション、ラグ、寝具を中心に韓国のお客様への販売を開始しました。EC事業を拡大し、より多くのお客様へ豊かな暮らしを届けます。
2023年11月に出店。品質と便利でやみつきになる機能をもった商品を「つい買ってしまいたくなる」ような売場で提案することで、韓国でも「お、ねだん以上。」を定着させていきます。
2022年に初出店。1店舗目の出店地域は、観光で賑わうオーチャード・ロードです。シンガポールに住む人々だけでなく、観光客の方々にもニトリを知っていただくことで、今後の東南アジア進出を加速していきます。
2023年8月にASEAN3か国目として出店。「ニトリのようなお店が近くにあればいいのに」という声にお応えすべく、今後も出店を続けていきます。
主にラグ・カーペットを製造する、タイにある再生ポリエステル繊維の製造工場。2018年にニトリグループが完全子会社化したことで、環境に配慮した商品の開発・製造の幅が広がりました。
2007年にニトリグループが海外初出店に選んだ台湾。着実に店舗数を伸ばし、多くの現地メンバーに支えられながら事業を展開しています。また、台湾で住まいの豊かさを提供すべく、通販や法人向けなど事業領域も年々拡大しています。
中国での販売事業に責任をもち、店舗運営に加えて商品政策の立案や通販、広告宣伝、経理業務など業務範囲は多岐にわたります。NTLと連携を取りながら中国事業の基盤を固めます。
中国におけるサプライチェーンの商社・物流部門を担当し、工場開拓や商品開発、品質管理、貿易業務などを実施。サービス提供範囲は台湾・アメリカなどのグループ会社にまでおよびます。
2023年12月に出店。生産拠点のあるベトナムで、今後は店舗網の構築も進め、暮らしの豊かさを提供していきます。
家具製造を担うベトナムの自社工場。世界各地から原材料を調達し、キッチンボードやマットレスなどを製造。より良い品質を追求し、技術向上にも積極的に取り組んでいます。
2021年4月にECサイトを店舗に先がけてスタートし、その後2022年に2店舗をオープンしました。店舗運営に加えて東南アジアでの出店拡大に向けて人材育成にも力を入れています。
東南アジア・南アジア地域のサプライチェーンマネジメントを担う、6カ国7事業所の総称。各事業所を拠点に、新規工場開拓や商品開発、品質管理などを幅広く担います。
サプライチェーンの川上から川下まで一貫して担う独自のビジネスモデルには、
多くの強みがあります。
ここでは「価格」「品質・機能」「スピード」という3つの点から見ていきます。
従来型の流通モデルでは、商品がつくられ店舗に並ぶまでに、
たくさんの企業が関わっていました。
しかしニトリでは、原材料の調達からお客様にお届けするまでの全工程を
グループ内で完結することで、リーズナブルな価格を実現しています。
付加価値を求めすぎると、過剰な品質・機能により
商品価格はどんどん上がってしまいます。
ニトリはお客様の声から、本当に必要な機能と適正な品質を追求。
お客様起点でものづくりをするからこそ、支持され続けているのです。
お客様のニーズは多様化し、変化が激しい時代。
その変化のスピードに追いつき、
価値あるものを提供できる企業だけが生き残ります。
ニトリでは、お客様の声や売上構成の変化を日々分析し、
その情報をいち早く商品・サービスへと反映。
販売と製造が直結している強みが、ここに活かされています。
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