創造ストーリーVol.1 ニトリのランドセル「わんぱく組」シリーズ

わんぱく組

“安かろう悪かろう”ではなく
“良いものをリーズナブルに”――
そんなニトリの信念が、
ランドセル業界の常識に一石を投じました。

お客様が“高くても良いモノ”を求めがちなことから、コストダウンへの取り組みが置き去りにされてきた感があるランドセル業界。開発から製造、物流、販売まで、あらゆる工程を網羅することで、“確かな品質”と“お求めいただきやすい価格”を両立してきたニトリが、こうした業界の常識を覆す商品を実現するまでの、挑戦の歩みをご紹介します。

Episode1挑戦「適正品質・低価格」のランドセルに挑む。

ランドセルは、お子様にとって一生に一度の買い物であり、小学校の6年間をともにする大切なパートナー。ご両親や祖父母の方々からすれば『高くとも良いモノを買い与えたい』と思うのが当然です。しかし、だからといって、コストダウンへの努力を置き去りにしても良いものでしょうか?『そんなはずはない』とニトリは考えました。
ニトリが“確かな品質”と“お求めいただきやすい価格”を両立できるのは、商品の開発から製造、物流、販売までを、すべて自社でプロデュースしているから。いわゆる“製造小売り”と呼ばれる業態ゆえに、確かなものづくりによって品質を確保しながら、コストや中間マージンを極限まで削減して低価格を実現できるのです。この強みを発揮すれば、ランドセルにおいても「適正品質・低価格」が実現できるはず。こうして、ニトリの新たな挑戦が始まりました。

「お、ねだん以上」を生み出す仕組み

Episode2体制整備良いモノをリーズナブルに提供できる体制づくり。

ランドセルの適正品質とは、そしてその品質を維持できる価格とは?ニトリならではのランドセルを求める日々は、これらを探求することからスタート。試験的に国内メーカーから仕入れたり、海外協力工場で製造したり、試行錯誤を続けながら、ランドセルの製造・販売についてのノウハウを培っていきました。なかでも重視したのが「丈夫さ」であり、小学校6年間を通じての使用に耐え得る生地と構造を追求しました。生地については、スポーツ用人工皮革の分野で世界的な定評を持つ帝人(株)と協力して、軽さと強度を両立した人工皮革「タフガード®ライト」を開発。構造については、丁寧な縫製を徹底することで実現しました。他にもさまざまな工夫の甲斐あって、数年後には、海外工場において厳格な生産基準を整備し、6年間保証つきの高品質なランドセルを、リーズナブルな価格で供給できる体制を確立したのです。

確かな品質が保証できるようになった背景には、国内の老舗鞄メーカーとの連携もありました。ニトリ製品の製造を依頼し、全品買取を保証することで、より低価格での契約を取りまとめることができたのです。加えて、老舗メーカーの職人さんたちの知恵をお借りし、作業手順や品質チェックのポイントなどを明確にしたことで、ニトリのランドセルの品質が劇的に向上していったのです。

Episode3売場づくり売り場の一人ひとりが、想いを共有。

こうして誕生した「わんぱく組」シリーズは、今では量産ランドセルの中ではトップグループの一角を占めるまでに成長しています。しかし、当初の評判は決して芳しいものではありませんでした。その一因に、お客様との接点である売り場の販売員の理解不足がありました。「どうしてこんなにお安くできるの」という質問に対し、「海外で作っているから」と答えるだけでは、購入にはつながりません。そこで、品質と価格に込めた努力やこだわりが、売り場の一人ひとりに伝わるよう、販売シーズン前に勉強会を開催。その結果、売り場の熱意が見違えるように改善し、お客様との対話も弾むようになりました。こうして、ニトリのランドセルの魅力が、そして、その背景にあるニトリの姿勢がお客様に浸透し、現在の活気にあふれた売り場につながっているのです。